誘惑のクラン(血族)
「この匂いはきつい?」


璃子は涙目でむせながら頷く。


むせる璃子を見て、優真は苦笑いを浮かべる。


「本当にお前、クサいぞ。俺でもきつい」


これ見よがしに顔を顰める尚哉だ。


「どうなったんだ?」


真面目な顔になり、優真に聞く。


「崇は殺(や)ったよ。碧羽の救出は彰に任せている」


「彰はお前の味方だったのか……」


「そうらしい。それより早くここを出よう」


優真が璃子の手を握る。



< 323 / 356 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop