スタートライン
「お前さ、よく考えろよ。そんなの、スタートにもたってねぇんだぞ。叶いっこない」

本当に何も、分かってないんだね。

「……スタートラインなんて、自分で引くものだよ。いつだって、どこにだって、自分の力で引けるはず。
スタートラインを引くのに、早すぎるも遅すぎるもない。私はそう信じてる」



から、ん……

レモンティーの中の氷が、軽快な音をたてた。



そうだよ。

私は子供、だからさ。

コーヒーなんか飲めないし。


だけど、早く大人になりたいとは思うんだよ。

大人になったら、さ……

きっといろんなこと、

見えてくると思うの。
< 12 / 14 >

この作品をシェア

pagetop