Your Voice -同じ青空の下で-


「ワン、トゥー、スリー、フォー」


遥くんのドラムスティックを叩き合わせる合図の後、5人はそれぞれの楽器のメロディーをかもし出す。


懐かしい音がする。


激しく、優しい音がする。


そして、曲は終わった。


「そんじゃ、始めるぞ?楓香、歌えそうか?」


「うん…。多分、大丈夫」


「じゃあ、いくよ?」


遥くんが私に聞く。


「うん」



さっきと同じように、曲が始まった。


前奏の間、歌のリズムを頭の中に刻み込む。


息を吸い込み、歌おうとした瞬間、あの時の映像がフラッシュバックした。


あの時の恐ろしい映像が頭の中へ流れ込むと同時に激しい頭痛に襲われた。


足がガクガクと震え、立っていられなくなった私は、その場にしゃがみこんだ。


「おい!大丈夫か?」


だんだんと視界がぼやけて意識が朦朧としていく。


「楓香!!」


愁が私の名前を叫んだのと同時に私の意識はプツリと途絶えた。


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