正しい殺人事件

「B、私、時折、無性にあなたが羨ましくなるわ…」

「難しく考えるなって。奈々は私達のこと、AとBで区別できるんだから。そのうち名前だって覚えてくれるさ」

「ええ、そうね。私、沙羅が大好きよ」

「止せぃ、照れるじゃないか、真紀」
頭をかいて、照れたポーズをとる沙羅。

いつも別れる曲がり角のところで真紀は、ぴたりと足を止める。

「じゃあね、B江」
「またな、A子」

ニヤリと笑い合い、二人はそれぞれ歩きだす。
< 46 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop