桜姫
「ーーーーーーーぐっは……っ‼」
開けっ放しの襖から聞こえる足音が完全に消えた時、
紅葉の口から鮮やかな“赤”が吐き出された。
治癒能力による最悪な最期。
1人では背負え無い程の運命を
紅葉は知って居た。
風桜家の命の短さは誰もが伝えられていた。
…………桜羅を除いては。
紅葉は次々と溢れ出る鮮血を見ながら微笑んだ。
「…………サヨ……ナ…ラ………」
紅葉の悲しい呟きは、涙と血に掻き消されていった。
誰かが放った火が、東の山奥に佇む城を
焼き払い。
その持ち主は
死んだ。