檸檬の変革
後ろからマリアが緊張を緩めたのが分かった。


村の男の人は振り返り大きな声で何かを言うと、人がワサワサ出て来た。


どうやら僕達は歓迎されたらしい。


マリアが振り向いて笑顔で言った。
『夏樹の捜している人は余程ここの人達に大事にされてるみたいね。彼女の事を言ったら警戒されなくなったわ。』


夢魔のお陰か………。
何だか僕の方が照れくさくなった。


集まった人垣が割れた。老人がシッカリした足取りで僕達に近づいて来た。
人々は口を閉ざし。静かになった。


老人は隣の中年男に何かを囁いた。
それから中年男がマリアに向かって話し始めた。

マリアは今度は優しい口調で中年男に話した。
それから中年男は老人の耳に何かを囁いた。

老人は頷き、それから僕を指差した。
そして再び中年男に囁いて、マリアに伝えた。

マリアが頷いた。


老人は悲しそうな顔で僕を見て手招きをした。
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