檸檬の変革
写真展は物凄く盛大で驚いた。
写真の大会も兼ねているらしく、有名人や写真家も来ていた。


その中でも一際人集りが出来た一角に僕達も観に行った。
大賞と書かれた紙が沿えられた大きな写真の下に題名が書かれていた。

《smile》

僕達が遊んだ時に夢魔が撮った写真だった。
夢魔が初めて人を撮った。
しかも、大賞を貰った。


当然、夢魔は姿を現さなかったが、文章で受賞の喜びを発表した。

《今回の大賞は私にこの一瞬を撮らせてくれた大切な人達が居なければ、成し得ませんでした。人は常に変化をします。それは万華鏡の様なものだと、私は思います。同じ時は二度とは訪れない。だから一瞬、一瞬がとても大切な事。私はこの一瞬を撮り続けて行きたいです。 ありがとうございました。
坂貫 七海》




僕とマリアは七海が写してくれた写真の前でシッカリとお互いの手を繋ぎ、何時までも七海の想いを噛み締めた。


僕も何時かこんな写真を撮りたい。



僕の未来が見えた。
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