檸檬の変革
マスターは話終えるとパイプに火を付けた。
そして優しく私に言った。

『梅雨の長雨が2人の恋路を隠してくれたと思うと、雨の見方も少しは違うかな?』


私はマスターを見て答えた。
『はい。雨も捨てたものでもないですね。』


待ち人来たらず。


でも、良い話を聞いたから良しとしよう。

私は席を立ち雨が上がり晴れ間が出た外に出た。


マスターは閉まるドアを見てから壁に飾ってある小さな額を見つめた。


額の中には古く小さな手紙が入っていた。



マスターはパイプの煙を吐き出しながら
窓の外の明るくなった景色を何時までも眺めていた。


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