c-wolf
「お前の実験はすげぇ。まさか俺が毒気にやられるとは思わなかったしな……。なぁ、俺らのチームにこねぇか?」

「「はぁ!?」」

ゼルトの提案に驚いたのは、フィーリアや亮たちだけではなく、誘われた伽羅自身もだった。

「ぼ、僕はPOLだよ?そんな僕を君たちのチームに入れたとしても……」

「そ、そうだよ、ヴォレフ!私たちの機関機密が漏れちゃうかもしれないよぉ!しかも、一番やっかいなPOLに!」

皆が口ぐちに文句を言う中、亮とフィーリアだけはジッとゼルトをみていた。

ゼルトが手で言葉を制すると、クスリと笑った。

「う~ん……、皆の主張も分かるなぁ。だけどさ、現に伽羅は何も言ってないんだよ?僕のことも、何もかも」

確かに、伽羅はPOLの人間に何も言っていなかった。

何をしても口を割らなかった。

「それが、なぜだか、僕はずっと悩んでいたんだ。さっさと言えばいいのに、言ったほうが楽しいのに。だけど、言わなかった」

伽羅はその言葉にウッと言葉を詰まらせた。

そして、ゼルトが伽羅を見上げてニンマリと笑った。

「君、本当は僕たちのチームに入りたいんでしょう?」

皆はしん、と黙り、伽羅の返事を待った。

伽羅は小さく息を吸い込むと、ハッと悲しそうに笑った。

「君には、僕のことは何でもお見通し、ってわけか」

そして、ゼルトに手をさしのべた。

「僕を……拾ってくれないか?」

ゼルトは小さく笑って、その手をとった。

「でっけぇ捨て犬だが、拾ったほうが得になりそうだ」
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