LOST ANGEL

「なにを?」

後ろを向いたまま、杏奈は低い声で応えた。

「成仏する方法」

チラっとこっちを見る杏奈。

「オレも…一緒に探すから」

頼りにはならないかもしれないけど。

「…慧斗と…一緒に?」

「うん」

「見つかるまで、一緒にいてくれるの…?」

オレは空を指さした。

「誓うよ。この青空に誓う!見つかるまで、一緒に探す!」


杏奈の目が涙で光った気がした。

幽霊も涙を流すのだと、その時初めて知った。





でも…






この決断に後悔する日がくることは、まだ知らずにいたのだ。




偽物のキレイな青空に誓っても意味はない。


本物のキレイな空は決して青とは限らなかったのだから。


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