家族ノ絆ヲモウ一度

「俺が見たのは、一番奥の図鑑のフロアーでみたっす。」

その店員の情報を聞くと、正嗣も朱桜も月見も覚悟を決めた。

「よっしゃいくか。みんな。」
「おう!」
「奥さん探しスタートだね!!」

そういって、店員の後を付いていくように彼らは足を進めていった。
図鑑のフロアー着くと、そこにはたくさんの客が本を品定めし、店員が本を積み上げたり、接客をしていた。

正嗣がきょろきょろ見回していると、店員がいきなりぽんぽん背中を叩きだす。

「正嗣さん!!あそこ!」
「どこどこ?」
「ほら、奥で本運んでる・・・」


正嗣たちの目の先には、黒く長い髪を一つに纏め、華奢な身体で何冊もの図鑑を運ぶ女性がいた。

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