家族ノ絆ヲモウ一度

「で、どっちの柄がいいべ?」

そういうと火燐は、椿のそれぞれの肩から胸元にかけて反物を広げた。
蓮流と火燐は、じっとその柄を見る。

こっちの柄はどうだとかこの柄だとどうだとかいろいろ・・・。

「おらは・・・どっちもOKだと思うぞ。両方使っちゃえ。」

あまりに突拍子の無い答えがで、椿は驚いてしまった。

「え?そんな、大丈夫なんですか?」
「どうしてだべ?」
「だって、作ってもらうって・・・すごくかかるんですよね?」

そんな動揺する椿を見て、緑涼は笑い始めた。

「そんなこと気にしてたべか(笑)そこは大丈夫。おらの知り合いが作るから。」
「そ・・・そうなんですか。」
「んだ。今日の昼ごろこっちに到着するって行ってたから・・・採寸とかいろいろしたいからって。」
「今日ですか?」
「そうだべ。みんなの浴衣、持ってきてくれるべや。」
「そういえば火燐。お前の袴も直せたから一緒に持って行くって言ってたぞ。」
「やった!」

火燐は、うれしかったのかその場でガッツポーズ。

それを横で冷ややかな眼で見つめる蓮流であった。


「椿。一緒に迎えに行こっか?」
「はい!」
「俺も一緒に行くべ!」
「じゃ、みんなで行くべか。」

ということで椿達はその方を迎えに行くことに・・・。

< 180 / 675 >

この作品をシェア

pagetop