家族ノ絆ヲモウ一度
「どしたべ?火燐。」
「少し不安だべ・・・。」
「なんで?臨時入界手続きで引っかかるとか思ってるべか?そんな・・・」

「違うべ!」

緑涼の話をさえぎるように火燐はそういった。

少しの沈黙のあと、火燐はまた話し始める。

「俺が不安なのは、椿ちゃんが・・・その・・・ほかの妖怪達に・・・」

すると、緑涼は火燐の背中を思いっきり叩いた。

「・・・っ痛い!!」
「そんなこと俺が許すと思うか?」
「思ってないべ!でも・・・」
「俺が守る!椿の父親になったってことは、お前らの父親にもなったんだ。だから、お前達を絶対に守りぬく。だから心配すんでねぇ、火燐。」


火燐の不安はその瞬間に消え、顔にはあどけない笑みが戻っていた。

「じゃ、おめぇ達も今のうちに準備しとけ。当日になって忘れたとか言い出したら許さんからな。」


「「「「はーい。」」」」


こうして、各自部屋に戻り旅行の準備を始めていった。

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