家族ノ絆ヲモウ一度
そこにいたのは、近衛の妻、百合歌と娘のひなただった。

「主人がお世話になりました。」

「「こ、こちらこそ。」」


あまりにも華奢で綺麗な百合歌に周囲の視線が・・・


「パパのお友達?」

「そうよ。パパのお友達。ご挨拶しようね。」

「うん!近衛ひなたです。」


そう言うと、ひなたは小さな頭をちょこんと下げる。

その仕草に、椿も結城も文乃も癒されていく。

「今日ね、パパとおじいちゃんがでるの!」
「まじで!」
「近衛さん出場されるんですか。」
「ええ。父や伯父達と一緒に。」
「そうなんですか。」
「どの種目にでられるんすか?」
「主人は飛ばしです。」
「パパね、いっぱい投げるんだよ!」

「飛ばし・・・?」

「どうしたんですか、結城さん?」
「和希も飛ばし・・・」
「そうなんですか!」
「うん。」
「私の所は・・・」


その時だった。

広場にいた観衆がざわつき始めたのは・・・

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