家族ノ絆ヲモウ一度

「これは、風燕自身が話してくれたことなんだが、子供の時に人間に騙されて、家族も殺され、家も焼かれて何もかもを失ったらしい。生き残った風燕と火燐は、その人間に監禁されて、金儲けのために見世物扱い・・・。」

親父は、言葉を詰まらせながら話し続けた。


あまりにも衝撃的内容で、私も言葉を失った・・・。

知らなかったこととはいえ、あまりにも残酷で・・・

「何年かして、隙を見てその人間の元から逃げて・・・家の後ろに裏山があるだろ?あそこに何百年も隠れて暮らしてたって・・・。」

「もしかして・・・」

「どした?」



私は、あの時の夢を思い出した。


火燐の部屋にいたときの夢・・・
< 55 / 675 >

この作品をシェア

pagetop