家族ノ絆ヲモウ一度

「ごめん・・・なさい・・・。」

椿がそういうと、緑涼の眼は、いつもの優しい眼に変わった。
泣きじゃくる椿を優しく抱きしめると「一人で抱え込むんじゃねぇべや。」と少し笑いながらそういって、椿の頭をぽんぽんと軽く叩いた。


「帰ったら、みんなに謝ること!みんな必死で椿の事探してるんだぞ、今も。」
「・・・うん。」
「じゃ、帰るべ!」


そういうと、緑涼は胸元から小さな紙を取り出した。

「それ・・・何?」
「ん?これか?みんなに椿が見つかったって、知らせるための、紙だべ!」

そういうと、緑涼の手の中でその紙は変化し、小さな蝶となり、バラバラに飛んでいった。

「すごい・・・」
「そっか。」

そういうと、緑涼は椿をぱっと抱き上げた。

「み・・・緑涼・・・さん?」
「そんなふらふらじゃ歩ける訳ねぇべや(笑)」

そういうと緑涼は歩き始めた。

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