家族ノ絆ヲモウ一度

家に着くと、玄関の前で禮漸達が待っていた。

「ただいま。」

緑涼がそういうと、禮漸はいきなりキセルで椿のおでこをポンと叩いた。

「みんな心配してたんだぞ。」
「ごめんなさい。」
「立てるか?」
「うん。」

緑涼は、静かに椿を地面に下ろす。すると、火燐がいきなり椿に抱きついた。

「勝手に出て行くなんてひどいべや(怒)」
「ごめんなさい(泣)」
「今日はずっと椿ちゃんぎゅっとするべ(怒)」


ゴン・・・


椿は頭に重い痛みを感じる。見上げてみると、風燕が辞書並みに硬くて大きな本を持っている・・・。

「今度やったら、ただじゃ済まさねぇからな(怒)」
「そうそう。」

そういうと、蓮流は椿の耳を思いっきり耳を引っ張った。

「ご・・・ごめんなさい(泣)」
「はい。じゃ、今度から必ず行き先は言っていってね!」

そう言い終わるとぱっと手を離した。


「そこまで!さ、飯作るぞ!」

「「「「「「は~い。」」」」」」




椿の目には、見慣れた玄関がいつもと違って見えていた。
いつもより明るく、いつもより温かいそんな景色に・・・。


< 563 / 675 >

この作品をシェア

pagetop