Cotton Candy【ベリカ限定】
雅は、あたしの機嫌が直った事に気付いたみたい。


「まだ怒ってる?」


優しく微笑みながら、そう訊いた。


「怒ってない……」


あたしが小さく言うと、雅はあたしを抱き締めた。


その途端、彼の香水の香りに包まれた。


全身が熱い。


雅の腕の中で、クラクラとふらつくような目眩を覚えた。


耳をつんざく祭囃子が、やけに遠くから聞こえて来るような気がする。


あたし達は、真っ暗な茂みの中でキスをした。


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