Cotton Candy【ベリカ限定】
「好き……」


ここに、雅はいない。


それでも、言葉にしたくて堪らなかった。


雅への想いが言葉になって、溢れ出していく。


「好き……」


あの優しい笑顔も、少しだけ低い声も、あたしを包み込む腕も…。


その全部が愛しい。


「……雅が……好き……」


精一杯の想いを込めて、呟くように零した愛の言葉…。


だけど…


あたしの声は誰にも聞こえる事無く、激しい雨音に掻き消されてしまった――。


< 321 / 575 >

この作品をシェア

pagetop