おおかみ=彼氏!?





「―――っ」



隣にいた彼女はヘナヘナと道に腰が抜けたように座ってしまった。



『だ、大丈夫!?』


「だい、じょうぶ…です。」



彼女は、ポロポロと瞳から涙を流し、アスファルトを濡らしていく。



「――っ!ごめんなさい……」



俺は泣き続ける彼女に
どうすればいいのか分からなかった。


でも、どうしてかは分からないけど守りたいと思った。
笑っていてほしいと思った。














――――――抱きしめたい。






そう思ったのと、彼女に腕をまわしたのは、どちらが早かっただろう……?



気が付いたら俺は彼女を
力強く抱きしめていた。


「え……?」


『大丈夫。もう大丈夫だから……』


俺は小さな子供にするように、
背中をゆっくりとさすった。



「―――っ!ふぇ……」


そしたら、彼女は俺の胸で
たくさん泣いたんだ。






それから先はあまり覚えていない。



ただ1つ覚えているのは、
この日俺は泣いて真っ赤な目をして照れ笑いながら、俺にお礼を言うかわいい君に……



御坂 姫乃に恋をしたんだ。









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