海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
私はその目を見るのが耐えられなくて、俯いてしまった。


「海………なんでそんな事になった?」


「えっと……その……」


「俯いてないでちゃんと顔上げて答えろ」


真剣な哲兄の声に、首をムリヤリ動かして、前を見る。


アイも小梅も重く黙りっぱなしで、絶対助けてはくれないと痛感した。


「昨日……トイレに入ってたら…クラスの女の子達が入って来て………」


女の子達の会話の内容、私の考えを順々に説明して行く。


話し終えた時、哲兄はハァ……と小さくため息を吐いた。


「なるほど…だから卓磨昨日あんなだったのか」
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