海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
ブルーのハンカチを海に差し出すと、海は「ありがとう」と涙を拭いた。


「洗って返すね……?」


「いいよ。汚れたワケじゃ無いし」


ハンカチを返して貰い、再び視線を合わせる。


海の瞳は少々赤くなってたが、相変わらず曇りの無い、キレイな瞳だった。


「海?ちゃんと聞いとく。もう出場したくないなんて言わないよな?音楽祭本番までキッチリ練習するよな?それが出来ないなら、オレは本番1人で出る」


低めの声で問いかけると、海の肩がビクッと上がった。


今オレが言った事は、全て本気だ。


生半可な気持ちなら…受け入れられない。
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