海と桜の奏 ~Pure・Harmony~
「だったら同じ方向だ。一緒に帰るぞ桐生」


明るく言うと、桐生がピシッと音をたてて固まる。


「イヤイヤイヤ……ッ!!」


何分間か押し問答した末、結局桐生が折れてオレ達は初めて一緒に帰る事になった。


横目で隣を歩く桐生を見ると、ウェーブがかったキャラメルブラウンの髪がフワフワ上下に揺れ、実にカワイらしい。


ピンクに色づいた頬は桃の様で、背も低めだ。


「桐生って身長何cm?」


何気なく尋ねると、桐生の肩がビクッと上がった。


さっきから浮かない顔してんな思ってたけど…そ、そんなに緊張してんのか……?
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