明日目が覚めたら
王子たちと別れの挨拶をして、


ブレアム城を後にする。

4人の王子とキスをしたが、ウルルの体に変化はなかった。

やっぱり、そうだろうなというのが正直なところだ。


「やっぱり、何もなかったわね。」


「姫さま、なんていうか、こう、大勢の方と口づけをするのは、

 私は賛成しかねます。」


「あら、私だって誰でもって訳じゃないわ、

 親愛の情を示せる人にだけよ。

 本当に愛する人とキスをするが条件なんだもの。

 しょうがないと思うわ。」


「はあ、ですが、、、

 本当に愛している方のみでよろしいのではないですか?」


「サンドラはキスしたことないの?」


「な。何をおっしゃるのですか?」


「あんな挨拶程度のキスは本当のキスではないのよ。

 本当の意味でのキスは、まだ私もしたことがないわ。

 ああ、心が揺れるような熱いキスをしてみたいわ。」



「姫さま! アレクがまた不機嫌ですよ。」


「ホント、保護者が多くて困るわ!」

アレクをジロリと見上げる。



「さて、ジャミル王国まで、頑張らなくっちゃ。」




 




< 140 / 300 >

この作品をシェア

pagetop