明日目が覚めたら
見つかるからという理由で、

灯り一つ持たず、暗闇を進む。

ゾクゾクする感覚とともに、

ワクワクする期待感みたいなものが

体の神経を刺激する。


「ここだ。」


ピリッと暗闇の中に緊張が走った。


「サ-ブルです。入ります。」


「…」


中からは返事はおろか物音すら聞こえなかった。

開け放たれた扉からは灯りが放たれ、眩しくて目をおおった。


「サ-ブル様。」


侍女だと思われる女性が、深くお辞儀をして迎えてくれる。


「母上、こちらアセンダルフ王国から来国している、ウルル姫です。」


「はじめまして、ウルルと申します。王妃様。」


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