オレンジ・ドロップ

 余りにも暇だったので、教室の植木に水を注す事に。

   トン、トン、トン、トン……

 足音が段々大きくなる

  えっ!?

 一つの予感


   ガラッ

 両手が塞がっていたので顔だけ向ける

 「あっ……」

  やっぱり

 なんでこのタイミングで来るんだろ?
 
 なんだか悲しげな顔の荻野くん

 目の端に光るのは……涙?


 「さよなら!」

 彼はそれだけ言うとサッサと教室を出た

  待って!


 急いでジョウロを片付ける

 《紀ちゃん、凛ちゃんゴメン先帰るね》

 黒板にこれだけ書いて、私も急いで教室を飛びし彼の後を追いかけるように走った。




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