オレンジ・ドロップ

教室と部室


 ― 10月

 ここ数日緊迫した状態が続いている

 演劇の都大会が目前に迫っているの

 役者はもちろんの事、裏方だって一瞬の気の緩みも許されない

 音響も照明も1秒だってタイミングが合わなければ役者を惑わせてしまう


 私は一年なのに、照明の責任者みたいな感じになっている


 「照明の操作の事でわからないことあったら遠慮せず聞いてね」

 前に先輩に言われた

 けど、その先輩は役者業で忙しいから殆ど聞かない。というより聞けない状況

 基本操作は聞いてる

 後は、応用を利かせるだけ

 実践して覚えない事にはどうしようもないし



 ― 都大会

 初めて他の学校の演劇を目の当たりにする

 演劇なんてマジマジ観たことがない

 そんな私でも鳥肌がたつくらい


 私たちも、やれるだけの事はやって大会に挑んだ



 結果は

 特別努力賞

 今までうちの学校は賞を貰える様な事はなかったらしいから名誉なことらしい



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