片想いだったね


「お、美紀の良いこと書いてる。」

「あやぽんは吉だね。」

「焦れば遠のく我慢も時に必要、そうすれば報われます、だって~。」

「あやぽんせっかちだからねぇ。」

「今日からあたし、広い心で我慢してみる。」

「結局翼好きなんじゃん。」

「…………へへ。」





おみくじを結ぶ柵に向かい、既に沢山縛ってある中に私たちの恋みくじも結ぶ。


寒くて手が固まってなかなか上手に縛れない。


「美紀、結んであげよっか?」

「大丈夫、こういうのは自分でやるの。」





と、モタモタしてると次々結ぶ人が入れ替わり立ち替わりできて、私凄く邪魔くさい存在になってる。



「お、高木にあやぽんじゃん。」



聞いたことがある声に後ろを振り向く。



「しゅうちゃん!あけおめ!」

「お~あけおめ~。」

「しゅうちゃん一人?」

「なわけないっしょ。一人で神社来るなんて賽銭ドロじゃないんだから。」

「「あははっ。」」

「誰と来てるの?」





「アッチでおみくじ引いてる奴らと。」










あやぽんと私は、寒くて固まる身体が更に固まってしまった。


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