片想いだったね
「ダメだったよ。わかってたけどね。」
「…………………そっか。」
大会が終わり、その夜に岬ッチに電話で報告をする。
「明日、会えないかな?」
「………………いいよ。」
「あの学校の川原の橋のとこで10時に待ってるから。」
「早いね。」
「早い?9時でも良かったけどね?もっと遅くにしとく?」
岬ッチと笑いながら話す。
「ハハ。…………いいよ。」
岬ッチの「いいよ」の言い方、心の底から安心する自分がいる。
私は明日、初めてキスをしたあの川原に自転車に乗って岬ッチに会いに行く。
明日はきっと、暑いだろうな。