記憶 ―砂漠の花―

布を頭にかぶせたまま、考えの定まらない頭で、ぼーっと。

瞼も薄目を開いてみたものの、また落ちた。

この状態だったら、ほんの数秒で再び眠りに落ちていただろう。


しかし、私の耳がある会話をとらえる。


「アズ、お前仮に本当の妹が見つかったとして、どうするんだ?」

「どうするって?母上と妹と、ラルファに連れて帰るさ!当たり前だろ。」


本当の妹…
その後の私は…?


一番気がかりな、
一番の不安要素な内容が、
二人の会話で、今まさに繰り広げられようとしていたのだ。


私の眠気は急に覚めていく。


「アイリは…、普段は表には出さないが、相当な葛藤があるんじゃないか?自分が今後どうなるのか。」

「…あぁ…。」


私が寝ていると決めて疑わない彼らが、こちらに視線を向ける気配を感じる。


「本当の家族が揃った団らんに、今まで通りとはいえ、居づらくなるのは確かだろう。…アイリの事だ。邪魔はしたくないとか言って自分は出ていく気でいるかもしれない。そういう意味でどうするんだと聞いたんだ。」

キースが私を起こさないよう声のトーンを下げて静かに、でも力強く言う。

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