記憶 ―砂漠の花―
15・隠された島 ルリ

15・隠された島 ルリ



――…ギィ…ィ…


鍵である首飾りを持つアズが、扉を開けた。
古びた扉からは、耳につく音が響く。


そこは、アズとキースにとっては物一つない殺風景な石畳の部屋だった。


「…何もない…。アイリ、合ってるか?」

キースが辺りを一周見回しながらそう聞いた。

地下の密封された部屋。
不思議と、その声が反響する。


「…合っ…てる…」

私はこの光景を前に、部屋に入る事すら緊張していた。
ごくり、と唾を飲む。


な…に…
この、凄い魔力…


部屋には、
魔力が立ち込めていた。

扉を開けた時の、中からの威圧感、圧迫感に私は立ち尽くしていた。

何代にも渡って厳重に守られてきた場所なのだと肌で感じる。


部屋の中心の床には、青色の線の魔方陣が、上へと光を放っている。

魔方陣を作った人の青い魔力…。


それに…
青色だけじゃない。

ここで、代々ルリ島に行く為に魔力を使用してきた、ウィッチの残留した魔力…

先生の、緑色――、
それに…
白、黄色…

様々な色が…、
床から立ち上る魔方陣の青色とともに存在する。

重なり合う、色彩――


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