Raindrop
次の日は校庭の隅で。
その次の日は渡り廊下で。
あちらこちらと、その日の気分で場所を決め、音を出すだけの演奏を続けた。
自由な校風とは聞いていたけれど、どこで弾いても誰にも咎められない。
時々笑われたり、変な目で見られたりはするけれど、「演奏を止めろ」とは言われなかったので、僕は常にレディを持ち歩くようになった。
「君の感覚を早く取り戻さないとね」
レディ・ブラントを肩に乗せて歩いていると、放課後の音楽室からはコーラス部の美しいハーモニーが聞こえてきた。
混声三部合唱だ。
合唱には詳しくはないので曲名までは分からなかったけれど、美しいソプラノの旋律が、細くて繊細な水琴さんの声を思いださせた。
自らが歌うことで、表現の幅を広げる。そう教えてくれた水琴さん。
「……一緒に歌ってみるかい? レディ」
弦の上に弓を滑らせると、頼りなげな音が鳴り響いた。
それがなんとなく、恥ずかしそうに歌う水琴さんの姿と重なって、思わず笑みが漏れた。
その次の日は渡り廊下で。
あちらこちらと、その日の気分で場所を決め、音を出すだけの演奏を続けた。
自由な校風とは聞いていたけれど、どこで弾いても誰にも咎められない。
時々笑われたり、変な目で見られたりはするけれど、「演奏を止めろ」とは言われなかったので、僕は常にレディを持ち歩くようになった。
「君の感覚を早く取り戻さないとね」
レディ・ブラントを肩に乗せて歩いていると、放課後の音楽室からはコーラス部の美しいハーモニーが聞こえてきた。
混声三部合唱だ。
合唱には詳しくはないので曲名までは分からなかったけれど、美しいソプラノの旋律が、細くて繊細な水琴さんの声を思いださせた。
自らが歌うことで、表現の幅を広げる。そう教えてくれた水琴さん。
「……一緒に歌ってみるかい? レディ」
弦の上に弓を滑らせると、頼りなげな音が鳴り響いた。
それがなんとなく、恥ずかしそうに歌う水琴さんの姿と重なって、思わず笑みが漏れた。