デュッセルドルフの針金師たち前編

初めてのヒッチハイク

三人組は翌朝ストック郊外のミセスロビンソンが
聞こえてきそうなハイウェイの入り口付近で
生まれて初めてのヒッチハイクをした。

順番にCOPENHAGENと書いた大きな紙を持って、
右手の親指を立てて通る車通る車に合図する。
車はなかなか来ない。30分ほどして

マメタンのときにやっと止まった。
かなりの急ブレーキで先のほうからバックしてきてくれた。
とにかく止まってくれたよ、胸がどきどきしてきた。

どうもあとでよく考えると、スピードが出すぎるところ
だったので止まりにくかったようだ。ドイツの青年だ。
英語でしゃべってくる。青タオルと落ち研がのそのそとで出てくる。

よくあるパターンだ。二人しか乗れないということでじゃんけんになった。
西ドイツの学生君は3人のじゃんけんを楽しそうに見つめていた。
結局青タオルとマメタンが乗ることになった。

マルメの船着場で待ち合わせと言うことでいざ出発。
青タオルは後ろでずっと寝たフリをしていた。

スウェーデンも日本と同様南北に長い国だ。
人口は700万人くらいなのに空母まで持っている。
ボルボ、サーブの自動車も有名だ。

5時間ほどでマルメにつきドイツ青年と別かれた。グッドバイ。
あとであれほどドイツに馴染んでしまうとは、
アウフビーダーゼーエンもこの頃知らなんだ。

1時間ほど遅れて落ち研も現れた。それ以降、マルメ・ストック間のヒッチは3往復、
ドイツでのヒッチも入れて十分ベテランになった。
買い物ついでにちょっとヒッチ、そんなもんだここヨーロッパでは。
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