デュッセルドルフの針金師たち前編
手作りのペンダントチェーンをニッケルチェーン
に変えてみたが、売れ行きは全く変わらず。
12月にはいると毎日50本60本と売れてゆく。

土日はその倍だ。在庫がどんどん減りだした。ジャ
ラジャラもうろこもよく売れるけど、製作は大変だ。
あのキプロス作品のひとつぶどう形の下部を取り除き

じゃらじゃら涙形5本をつるす。これだとチョーカー
でもペンダントでもいける。しかも比較的簡単だ。
ニッケルチェーンがぴったりで、すぐさまベストセラー

になった。皆がのぞきに来る。石松が、

「すごいの作ったな、きみは」
「よう売れますよ」
「そやろな。まねさせてもらうわ」
「どうぞどうぞ」
「太陽みたいやから、”タイヨー”て名付けよう」

おーマイゴッドの贈り物。”タイヨー”日本語が
作品名になった。神からのめぐみ、”タイヨー”
はほんとによく売れた。マネをはじめた皆からも

大いに感謝された。信頼度ナンバーワンの一番角、
売り上げもナンバーワンであった。またぞろ、
カリスマが復活した。
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