冷血ボーイ



わわわ。



あたしは急いで支度をして

玲央くんと一緒に教室を出た。



2人で歩く、静かな廊下。

少し目線を下に落とすと

玲央くんのおっきな手が目についた。



今……誰もいないんよね?

見てる人、いないんだよね?



一回だけ、一瞬でいいから

学校で手…つないじゃだめかな。



「れ、お…くん」


「んー?なに?」



玲央くんの大きな目が

あたしを捕らえた。



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