~校内恋愛禁止ですっ!!~

◆ ◆ ◆



中庭にはまばらだが、何人かの生徒がいた。

そこは静かだ。

ときどき風が吹いて、木々がカサカサか揺れている。



しかしどこからか、すこし苦しそうな吐息が聞こえた。

どうしたのだろう?

私は岸谷先生から離れ、声の元へと向かった。



「って、天上先生!?」

「んだよ……」



そこには袴姿でベンチに寝転んでいる、剣道部顧問の天上先生がいた。

日焼けした肌がすこし赤い。

目が少し潤んでいる。



「ちょっと、大丈夫なの!?」

「練習しすぎただけだ、気にすんな」



天上先生はダルそうに上半身を起こし、立ち上がった。

フラフラと横に倒れそうになるが、踏ん張ってバランスを保っているようにも見える。



「休んだほうが……」
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