溶ける彼女
彼はふと、彼女が作るその虹が彼女みたいだな、と思った。
弱くて脆くて儚いけど生命力が強くて、頑張れば頑張った分だけ、強く長く美しく、その輝きを放ってくれる。
一度消えても、雨が降った後はまたその姿を見せてくれる。
彼はそんなことを考えながら、彼女と虹を見ていた。
「あー疲れたー!」
不意に彼女が虹を作るのをやめた。
虹もすぐに消えた。
「ねぇ、虹蛇って知ってる?」
彼女はいつも唐突だ。