[修正版]草食系彼氏

 そして今朝、私を追い詰めるかのように、その噂に確信を持つ出来事があった。

 いつもなら男子と話しているか一人で読書をしている来季の席に、女の子がいたのだ。サラサラの、肩まである髪を下ろした、きれいな子だった。誰なのか確信は持てないけれど、おそらく……。

 来季の横、それもかなり近くにいて、見るからに好意を持っているとわかる。さりげないボディタッチを見るたびに、胸が締めつけられる。

「……っ」

 話しかける勇気もない私は、こんな光景はもう見たくもなかった。しまいには教室にいるのも嫌になって、スクールバッグを置いてすぐに廊下へ出た。

 思い出すだけで、胸が苦しくなる。来季は、あの子といた方が楽しいのかな……。

 潤み始めた目に気づかれないよう、ギュッと唇を噛んだ。

 来季、私……。

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