Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~



「い、いやぁ~ゥワァァァ~」


はぁ~またですか。

「涼、泣くなんて可笑しいよ。泣き止まないと早苗ちゃんにも笑われるよ」


「ウワァ~~」


ますます大きな声で泣く。


「もうすぐ早苗ちゃんがお迎えに来てくれるよ」


「ウワァ~いかないもん」


年が明けて一月半ば。


私は年明けから産休に入り


出産まで後一ヶ月ちょっと。


一月の連休前までは車で涼を保育園に送って行ってたんだけど…恭介さんから「もう運転は中止な」と言われて。


涼の保育園の送り迎えは水野先輩と瑞穂さんがしてくれてる。


涼にも言い聞かせて


「うん。さなえちゃんや、まぁくんといけるからいいよ」


って喜んでたんだけど…


ここ二、三日、朝になったらご機嫌が悪く、いや、朝だけじゃなく一日中ご機嫌がよろしくない。


たぶん寂しいんだと思うから叱らないようにはしてるんだけど。


「涼、保育園行かないの?」


「ウワァ~」


「行くの?」


「ウワァ~」



ピンポーン


「はぁ~い。ほら早苗ちゃん来てくれたよ」


すると


「ち、ちょっと」


私のエプロンで顔を拭いて鞄を持って玄関へ


「涼ちゃん おはよう」


「おはよう さなえちゃん、おばちゃん」

「……」


さっきまでのは何だったんでしょう?


「じゃあいってきます」


「お願いします。早苗ちゃん、涼 いってらっしゃい」


「おばちゃん いってきます」


早苗ちゃんが手を振って


涼は


「……」


何も言わずに出て行った。


もう、ホントに…




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