眠り姫【短編】
最後の夏

「雪ちゃん、気分はどう?」

「…別に。」

苦しいくらいの晴天に恵まれた、7月中旬の今日。

死ぬまであと48時間をきった私には、もう、なにもかもがどうでもいい。



「…暑い、ねぇ。」

「…うん。」

私の気分を伺うような態度ばかりとる母は、こんなにも細かったのかな?

「…お母さん、痩せたね」

私がそう言えば、お母さんは嬉しそうに微笑む。



…嗚呼、窮屈だ。
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