運命‐サダメ‐



誰にも言ってなくても、今の私の状況を見れば分かることだ。


それは、まぎれもなく真実だから。



私は、静かに頷いた。




「だったら、尚更大事にしてあげて。もう、1人の体じゃないんだから。
元気になって、子供を産んで育てよう?
あたしもお母さんも協力するから。大切にしようよ」




鈴奈の言葉に、はっとした。


そうだ。
彼がいなくなった今、私と彼を繋ぐのは、この小さな命だけだ。




< 183 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop