運命‐サダメ‐
*独りぼっちの理由
そんな考えは、途中で切られた。
「千紗って、今1人なのか?」
叔母さんとの電話の内容を全て聞いていたらしく、真剣な声で聞いて来た。
未だ抱きしめられたままだから、聞こえるだろうけど。
“千紗ちゃんしかいない”と言う言葉が引っ掛かったのだろう。
「そうですよ。
一人暮らしをしています」
私は、平気でそう答える。
彼が待っている答えとは、違う答えをわざと言った。
「そうじゃなくて、両親!
いるはずだろう?」
少し声を荒げて彼は言う。