青空ファンファーレ
尋ねても、博士は黙ったままだ。

やがて博士は重い口を開いた。

「多分、いい事だと思う。」

「多分?」

「うん、多分。」

博士は、医者であることの辛さを知ってる。だからこその多分だと思った。

案の定、大変な仕事だよ、とアドバイスをくれた。

分かっているつもりだ。

でも、これが僕なんだという事も分かって欲しいと思う。

僕は、悔しかったんだ。

何も出来なかった事が悔しかったんだ。

だから、考えたんだ。

それに…。

「あの日、リョウちゃんと約束したんだ。」

そっかぁ。と言って、博士はまた黙ってしまった。

「出来る限りの事はするよ。」これでも、その道の先輩だしね。

博士は照れたように笑って言った。
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