消えぬ想い
-結衣Side-

やっぱり、私って素直じゃないんだね。

すっごい、ひねくれてる。

先生のことは、大好きなのに信じてない自分がいる。

なんでだろう。

「・・・ウッ・・・ゴ・・・メン・・・ヒック」

気づいたら、目からは涙が溢れていた

「・・・結衣!?どうしたの?」

「・・・ェ?・・・あ・・・・・・おい?」

「何があったの?話してごらん」

泣きながらも、さっきあったこと。

すべてを話した。

今の、自分の心境も。

「そっか・・・。でもね、それって、結衣がほんとに好きだから、それが、第一の原因なんじゃない?矢野のことが好きだから、やっと叶った恋だから、結衣のホントの恋だから、矢野に迷惑をかけないように。そんな思いからじゃないの?」

「葵・・・。」

「そんなに、好きで、どうしても付き合いたいなら、卒業式。卒業式が終わってから、伝えなよ。それなら、何も問題ないでしょ?」

「そうだね。葵ありがと」

「いいえ。悩みは、いつでも相談してよね」


葵、ありがとう。

いつも助けてくれるのは葵だよね。

葵と友達でよかったよ。

それに、いくら泣いてても喋ってるといつも自然と涙が止まってるのも、葵だけなんだよ。


今度は、葵の相談にも乗るね。





先生。

卒業式まで、その気持ちのままでいてもらえませんか?
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