「あと三十分かぁ」
 
 吐き気に顔を歪ませながらも呟く。
 
 俺は身体を何とか蒲団から離れさせ、自分の部屋の壁や外の電柱や手すりに捕まったり、寄かかったりして、やっとキャンパスの門を潜った。教室に入ると真っ先に椅子に座り机に引っ付くように腰を曲げて寝そべった。
 
 自分のアパートからこのキャンパスまでたかが徒歩で二、三分の距離であるが、今日の俺にはその距離はあまりにも過酷だったらしい。



    以前よりも頭痛は増し、吐き気も増していった。

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