君に贈る恋のうた。





「杏璃!おはよー」



「杏璃ちゃーん!」



「おはよ!杏ちゃん!」





何故かあたしは、知らない人にまでおはようの挨拶をされる。


いや、見たことはある。
知っている人はいるけど、あたしには¨友達¨なんて一人もいない。


中には男の子までがあたしに手を振ってくる。








この光景は、大学に入学してから一ヶ月で当たり前になった。

あたしの知らない人が声をかけてくる。まるで、大学にいる全員があたしを知っているかのように。
< 77 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop