少女たちの夢の国
first trip☆
部屋の窓から、そっと春の風が吹き込む。



「なに、これ」



ネリィはイリィが持っている雑誌を取り上げた。






「あっ、ちょっと!なにするんですの!まだ途中ですのよ!」




イリィは眉間にシワを寄せ、腰に手を当て怒ったように足を踏み鳴らした。






でもネリィはそんなイリィに構わず、雑誌を広げる。






「うーんと、何々…?"あなたも自由な春旅に出掛けよう。今年の春は桜河川塔で決まり!"だって?


あんな一体何見てんのよ」




ネリィは呆れ顔でイリィに雑誌を返した。






「まぁ、ネリィったら旅を馬鹿にしましたわね?!旅は良いものですのよ!わたくし、5歳のときにお母様に連れていってもらったことがありますの!


もうそのときの旅の素晴らしさに感動致しましたわ!」



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