卓上彼氏
ゆりの部屋の窓から零れる光が逆光となってゆりを照らした。
自分の話をするわけではないのに、その女神の横顔は心なしか辛そうだった。
「……正確には、みぃちゃんが二人目かな」
ゆりは指を組む。
「昔ね、一馬に初めて彼女ができて、家に連れてきたことがあったの。そうしたら、ホラ、私こんな趣味でしょう?その彼女、私のことを『キモい』って言っちゃったの」
私は返す言葉が無かった。
何を言うべきか迷うくらいなら、何も言わない方が良いと思った。