卓上彼氏


「じゃあ私これから部活だから」





そう言ったとき、ヨクはとても切なげな目をしていた。






まるで子犬を捨てるような気分だった。






「だってプレー中携帯しまっちゃうし無理だよ、先家のパソコンにでも戻って待ってて」






かわいそうだけれど、そう言うしかなかった私にヨクはこう言った。







「――――…みかみのブルマ姿見たかったな」








そのあと私がなんて言ったかはもう想像できるだろう。




二次元男子も結局は男なのだ。






「ウソウソ放課後制服デートしたかっただけだよ」







私の返答に慌てたのかヨクはそう言っていたけれど、私は思いっきり携帯の電源を切ってやったのだった。








その後一旦私はヨクをエナメルバッグにしまい、地獄のような練習に取り組んだ。




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