卓上彼氏
マンションの一室のドアロックを解除する。
誰もいない真っ暗なリビングの明かりをつけた。
「ただいま」
ヨクに伝えたつもりだった。
けれどもやはり「おかえり」とは返ってこない。
スクバをソファに置くと他には目もくれず液晶テレビへ向かった。
テレビの前に膝立ちすると、私は意を決してヨクを呼んだ。
「ヨク、ただいま。私やっぱりヨクがいないとダメみたい。出てきていいよ」
すると、画面にあの青年の姿が映った——————……